ポジティブリストって何だろう?
ポジティブリスト制度とは、簡単に言うと、「食品に使用する残留を認める食品添加物あるいは農薬だけを利用できる」という制度です。食品添加物だけでなく、家畜の飼料や家畜に使われる医薬品もポジティブリスト制度が適用されます。
このポジティブリスト制による規制は、日本国内で流通する食品(輸入品を含む)の全てに適用されます。ただし、医薬品、ペットフード、口にしない工業製品及び自然界に存在するアミノ酸やミネラルなどは対象外です。
食品添加物のポジティブリスト制は1947年から施行されていましたが、農業については2006年5月より施行されました。農薬も制度導入後は基準が厳しく適用されており、使用できない農薬の大部分が規制され一般には出回らなくなってきています。
ポジティブリスト制度の違反措置
ポジティブリストは、食品衛生法を根拠として作られています。したがって、食品中にポジティブリストに違反する食品添加物や農薬を使用または残留している場合は、食品衛生法に則って罰せられます。
ポジティブリストに違反した場合、懲役3年以下または300万円以下の罰金というかなり厳しい罰則制度になっています。しかし、一方で消費者団体からはもっと重い罰則を望む意見も出ています。
ポジティブリスト導入以前の旧制度
ポジティブリスト制度が導入される以前は、ネガティブリストというものが使われていました。これは、「リストで規制されている食品添加物や農薬が含まれている食品および原料のみを規制する」という制度です。要するに使用または残留してはいけない食品添加物や農薬だけをリストにしたものです。
ポジティブリスト制度への転換理由
ネガティブリストの場合、「使用(残留)してはいけない食品添加物(農薬)だけをリストアップ」という規定であり、それ以外の食品添加物はどれだけ含まれていても問題にされませんでした。それはつまり規定されていない食品添加物は自由に使用できることになり、得体の知れない食品添加物(農薬)が含まれている食品や原料が一般に出回る可能性があるということです。
ポジティブリストの場合は、「規制されている範囲」であれば食品に含まれていても構いませんが、リストに載っていない農薬が検出されてはいけません。ポジティブリストで規制されていない農薬が食品に含まれていると問題になります。
したがって、ポジティブリストの方が、より食の安全を確保できる制度になっていると言えるでしょう。
ポジティブリストの例外
ポジティブリストに記載のない農薬が残留している食品を全て規制してしまうのは実質的には不可能です。今使用されている全ての農薬をポジティブリストに載せているわけではありませんし、新たに使われるようになる農薬をリアルタイムで規制できるわけでもないからです。
そのため、ポジティブリストで規制されていないものであっても含有量が0.01ppm以下であれば可とされており、これが現時点でのポジティブリストの基準値となっています。その検査項目数は2006年12月末現在で約700種類ほどあげられていますが、その数はさらに増える傾向にあります。
食品メーカーの中には、自主的にポジティブリストよりもさらに多い検査項目で試験を行っているところもあります。
参考資料:
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/zanryu2/dl/050603-1a-10.pdf
ポジティブリスト制度の今後
現在施行されているポジティブリストは非常に厳しいものとなっています。研究機関において、マウスを使った研究で危ないとされた量の100分の1以下でないと含有が許可されていません。このレベルを厳守している限りは安全上まず問題はないと思われます。
今後、更に研究が進めば変更される可能性もありますが、少なくとも現時点においては人体に影響を与えるものは認可されていないと考えてよさそうです。
